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とあるオクサマのニチジョウ
第9章 小麦色と白いオクサマ
 
…ホントに……するの…?……


 息苦しさを感じながら恭子の鼓動は、延々と早くなっていた。

 バイトを休むと伝えた時のマスターの気落ちした声が耳に残っている。

 それでも、今置かれた現状に、恭子は胸の昂りを抑え切れなかった。

 暗い空間の隣には人の気配。


…アンズ…ちゃん………


 頭まで被ったタオルケットからは、仄かに杏子の匂いがする。

 アパートに戻ってきた二人。

 恭子は自室に戻る事も無く、隣の杏子の部屋へとやってきていた。

 軽く食事を摂った後、シャワーを浴びると杏子の布団へと寝転がった。

 この前と同じように全裸にタオルケットを被せれば、イヤでも思い出す情景。

 唯一違うのは、意識して裸で杏子の布団に寝ている所だった。

『恭子姉が…アイツとヤってると思ったら……
 あたし……興奮して…オナってたんだ………』

 公園で告白された杏子の言葉が、幾度と頭を過ぎる。

 気落ちしたマスターの声さえも霞ませる杏子の言葉。

『あんなに興奮するとは…思わなかったんだよね………
 だからさぁ…恭子姉ぇ……』

 体を覆っていたタオルケットを擦り上げる。

 暗くなった杏子と正俊の寝室に、杏子の布団に寝た恭子の下半身が露わになる。


…ほ…ホントに………


 それだけで、カラダの奥から熱さを覚える恭子。

『また、あたしの隣でアイツとヤってよ』

 ニコッと笑みを浮かべた杏子の小麦色の顔を浮かべると、鼓動を早めていった。
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