この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
とあるオクサマのニチジョウ
第9章 小麦色と白いオクサマ
ガラッと寝室の引き戸が開く音に、恭子の肩が軽く跳ねる。
タオルケットと布団の隙間から、視線を隣へと向ける。
薄暗い空間に浮かぶ、寝転んだ杏子の後頭部。
…アンズちゃん……この儘だと…ホントに………
引き戸から近寄ってくる気配を感じながら、狸寝入りを続けている杏子に複雑な気持ちで眼差しを送る。
いくら負い目を感じているとは言え、従妹の同居人、婚約者と言っても過言ではない男に体を預ける戸惑い。
言われた通りに、杏子が寝ている隣で正俊のモノを受け入れなければならない事に、今更ながらに後悔が過ぎる。
そんな複雑な想いに苛む恭子を余所に、隣の杏子は壁際を向いた儘横たわり、寝息まで洩らしていた。
「……キョウコ……」
薄いタオルケットを通して、正俊の呟く声が耳に届く。
剥き出しの下半身に近付く気配に、恭子の鼓動は強くなる一方。
裸体を覆うタオルケットは薄い筈が、恭子は緊張からか暑さを覚え始める。
無意識にタオルケットから伸ばした脚が組み変わる。
「…また…こんな恰好で……」
やけに鮮明に聞こえる正俊の声。
暗がりの中でも、正俊の視線は的確に股間に突き刺さる。
…また……私の…アソコ……見られ…てるぅ………
杏子の言葉を守る恭子は、仰向けになった体を隠す事が出来ない。
太腿をピタッと合わせながらも、整えた陰毛を晒している事に固く瞳を閉じるしかなかった。