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とあるオクサマのニチジョウ
第9章 小麦色と白いオクサマ
寝室に明かりが点された。
杏子の布団に全裸で横たわる恭子。
その恭子の脚の間には、正座で上体を倒している正俊。
そして、正俊の布団に座り、白いキャミソール一枚だけの杏子。
下半身にタオルケットを掛けた儘で、二人を見詰める杏子の顔には薄い笑みが浮かんでいた。
「あっ……いや…あの…な?」
明るさに目が慣れず、目を瞬【シバタタ】かせて黙る恭子よりも先に正俊が口を開く。
ワレメも露わに寝転がっている恭子と、薄い笑みを浮かべる杏子の顔を交互に見遣る。
動揺が隠し切れていないのが一目瞭然だった。
「…婚約者のあたしが分からないとかさぁ……」
ニヤッと笑みを浮かべる杏子に、息を呑む正俊。
「かなりあたしを抱いてるのに分からないとかぁ……」
動揺の色が濃くなるだけの正俊の様子に、口角を上げた儘畳み掛ける杏子。
…アンズちゃん……一体…何を考えて……
杏子の目論見が分からない恭子もまた、股間を隠す事も忘れて二人のやり取りを見守るだけだった。
「恭子姉も……声が我慢出来ないくらい、コイツの舌が良かったのぉ?」
「えっ……」
薄い笑みを浮かべてチラッと見る杏子に、恭子は言葉を詰まらせる。
「って………ふふっ………」
延々と戸惑ってカラダを強張らせる二人を前に、突然杏子は表情を緩めた。