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とあるオクサマのニチジョウ
第2章 来訪者とオクサマ
慌てて玄関へと向かう杏子。
恭子の家の扉を開けた瞬間の衝撃的な光景に、手にした物を置き忘れていた。
「えっと……これ………」
バツが悪そうな表情で戻ってきた杏子の手には、アパートで回している回覧板が握られていた。
「そんなのポストに入れてくれればいいのにぃ……」
「あ、いや…そうなんだけど………」
「アンズちゃんも意外とドジっ………」
「って、玄関開いてたから入ったんだけどぉ?
あたしが来てなかったら、恭子姉ヤバかったと思うんですけどぉ?」
「うぅっ………」
一瞬、勝ち誇った笑みを浮かべた恭子。
しかし、杏子の尤もな言葉に唸るしかなかった。
「まぁ、隣だからいつでも良かったんだけど、タイミング良く来て感謝してよねぇ」
恭子の代わりに、豊満な胸を持ち上げるかのように腕組みをして勝ち誇る杏子。
「は、はいぃ………」
年上としての威厳など全くない恭子は項垂れるだけだった。
「で、宅配便って、何か来たの?」
いつまでも埒が明かないと踏んだ杏子。
ソファーの片隅にポツンと置かれた小包に視線を向けて話題を振った。
「あっ。これねぇ………」
恭子も恭子で、話題が変わった事で顔を綻ばせて小包を手にした。