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とあるオクサマのニチジョウ
第10章 決意のオクサマ
「奥さんも奥さんなら……旦那も旦那…だねぇ」
マスターの言葉が耳にこびりつく。
見開かれた恭子の目。
その視線は、カウンターとは反対側の壁に嵌まる、大きなガラス窓を通して外の景色に釘付けになっていた。
街灯が照らす通り。
その街灯の近くに居た人影。
恭子が見間違える事は無かった。
何年も見続けていたその姿。
「あぁ。あんな若そうな娘と……。人の事は言えないけど、良くやりますねぇ
グチュグチュと淫猥な水音を奏でながら、ワレメを掻き回すマスター。
薄く笑みを浮かべているであろうその言葉に、恭子の鼓動は速まっていく。
「んうっ…うっ……やっ…ぱりぃ……んうぅっ」
掻き回される刺激に顔を歪め、熱い吐息を洩らしながらも視線は動かなかった。
街灯がぼんやりと照らす中、スーツを着た夫の正行が若い娘と抱き合っていた。
…私が…此処で働いてるの…知ってる筈なのに……
…何で…見えるような場所で………
…第一…今日も…遅くなるって………
刺激に堪えながらも、恭子の思考は正行の行動に惑わされた。