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とあるオクサマのニチジョウ
第2章 来訪者とオクサマ
 
「は、はは………」

 恭子のただならぬ雰囲気に、乾いた笑みを溢す杏子。

 顔を引き攣らせながら、ジリジリと後退していく。

「ほらぁ……アンズちゃんもぉ………」

 ネットリと双頭バイブの亀頭へと舌を絡ませる恭子の顔は、すっかり発情した女へと変わっていた。

「あ、あたしは…ね……」

 同棲しているカレシで満足していると続けたかった杏子。

「……昨日もシた……ひゃっ」

 しかし、黒いタンクトップから剥き出しになっている細い肩をガシッと掴まれ、言葉を続ける事が出来なかった。

「あらあらぁ……。私はご無沙汰だっていうのにぃ………」

 朝方、ベランダで挨拶をした男と、眼前の杏子が隣の部屋で快楽に溺れていたという事実。

「ちょ、ちょっと恭子姉っ!?」

 細腕で非力な筈の恭子が掴む肩が、微塵も動かせない事に杏子は焦りを覚えた。

「それじゃあ、私もぉ……気持ち良くぅ………」

 強張る杏子の視界いっぱいに、妖艶な笑みを浮かべた恭子の顔が映り込んだ。


…あ…あたし……もう、ダメだろなぁ………


 肩を掴んでいた恭子の手が素早くタンクトップの肩紐をずらした感覚に、杏子は逃げ場が無くなった事を理解した。


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