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とあるオクサマのニチジョウ
第12章 Scene.02
 
「これも…良かったら………」

 慌てて追加で料理を出し、乾き物を並べた恭子。

「は、はは。すいません…」

 恐縮して笑みを溢す霧島だったが、恭子はその顔を見る事は出来なかった。


…まだテーブル一杯に料理あった筈なのにぃ……
…私…そんな大食いしたつもりなかったけどぉ………


 はしたなくパクパクと料理を摘む姿を見られたと思うと、顔が熱くなっていた恭子だった。

「良く食べる女性は悪くないと思いますよ」

「そ、そうですよねぇ」

 余りの恥ずかしがりように不憫に思った霧島の助け船に、恭子はしっかり乗った。

「まぁ、食った分、こっちに回ってるんだろうな」

「ちょ、ちょっとぉっ」

 酒に酔った正行の手が、恭子の胸をギュッと鷲掴みにした。

 突然の事と霧島の前である事に、恭子は思わず声をあげる。

 エプロンとタンクトップの上から掴まれた撓わな胸は形を変え、胸元に深い谷間を覗かせる。

 思わぬ恭子のサービスショットに、霧島は視線を釘付けにしていた。

「……は、はは………」

 次の瞬間にはハッと我に返り、気の利いた言葉も思い付かずに渇いた笑みを溢すだけだった。

「正行さん、飲み過ぎですぅ」

「まだまだ、これからだよ」

 霧島の視線の先では、諫める恭子の言葉を無視して正行がグラスを傾けていた。
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