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とあるオクサマのニチジョウ
第12章 Scene.02
「それでは…そろそろ………」
ソファーから立ち上がった霧島は、やはり恭子よりも頭一つ以上大きかった。
「何のおもてなしも出来なくて………」
軽く頭を下げて見上げる恭子は、まともに霧島を見る事が出来なかった。
色々と妄想を繰り広げ、大食の姿を見られ、剰え、胸を掴まれる姿まで晒していた。
性癖に溺れて興奮している時ならまだしも、接待をしている時では恥ずかしいだけだった。
「いやいやぁ。楽しかったですよ」
霧島は玄関へと向かいながら、ニカッと白い歯を覗かせる。
日焼けした短髪の顔に爽やかな笑みを見せられ、再び恭子の胸は高鳴った。
霧島の後ろを着いていけば、スーツ姿でも分かる体型の良さ。
引き締まった体躯でも恭子よりも横幅もあり、すっぽりと体が隠れそうな感じだった。
泥酔してソファーで鼾をかいて寝ている正行とは、全く正反対の好青年。
「それでは、奥さんご馳走さまでした」
「お気を付けてくださいね」
深々と頭を下げる恭子に軽く一礼した霧島は、薄暗い廊下を歩いていった。
…あの後ろ姿といい………
…やっぱり何処かで………
見送った恭子は、結局思い出せない儘で部屋へと戻り、後片付けを始めるのだった。
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