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とあるオクサマのニチジョウ
第12章 Scene.02
 
…何かまだ…挿入【ハイ】ってる気がするぅ………


 深夜のアパートの鉄階段をゆっくりと上がる恭子。

 物音をたてずにとソロソロと上がりながら、スカートの中をからの感覚に顔を火照らせる。

 シャワーも浴びる事も無く、アナルにローターを飲み込ませた儘、時間一杯までマスターと肌を重ねた。

 妻への罪悪感も、マスターが与える快感の前に薄れさせられ、快楽に溺れた。

 腰や体に気怠さを覚える程に乱れ、着替えのTシャツやスカートの下に下着が無くても羞恥を感じている余裕は無くなっていた。

 マスターと別れて数分経っても、依然として、ローターやモノを飲み込んでいる錯覚に気を取られる。

 深夜の時間帯。

 杏子の部屋からも、艶のある声が聞こえてこない。


…どうせ帰っても………


 扉を開けても、真っ暗な空間が待っているだけ。

 人の気配が無い事も分かっている。

 それでも、その空間に帰らない訳にはいかない憂鬱さ。

 階段を上がり、薄暗い廊下から自室に向かう足取りは重くなっていた。


…そう言えば………


 ふと、杏子の隣の部屋の前を通り掛けて脚が止まる。

 ジィッと扉を見詰める。


…此処の人……
…顔…見た事…あったっけ………?
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