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とあるオクサマのニチジョウ
第12章 Scene.02
 
 扉を見詰めても、恭子は住人の顔が思い出せない。

 暫くアパートに住んでいても顔が分からない住人。


…挨拶……したよねぇ………


 引越しの時には、アパートの住人全員に挨拶をした覚えはあった。

 それなのに、この部屋の住人だけが思い出せなかった。

 夜間は疎か、日中も出掛けている様子は感じなかった。


…アンズちゃんなら……知ってるかもぉ………


 隣に住んでいる上に、何より、恭子よりも長くアパートに住んでいる。

 突然訊くのも可笑しいかなとは思いながらも、恭子は話を後日にでも訊く事にし、その部屋の前から離れた。

 深夜の静かな空気の中に、廊下を歩く恭子の微かな足音だけが僅かに流れる。


…またアンズちゃんに…突っ込まれないよね………


 意外と響く音に、杏子が夢の中に居る事を願いながら、恭子は自室の扉を開けて姿を消した。

 パタンと玄関扉が閉まる音。

 それと入れ違うように、一つの玄関扉が音も無く開いた。

 その隙間から覗く視線は、恭子が姿を消した方へと向いていた。


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