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とあるオクサマのニチジョウ
第12章 Scene.02
…今日も…やっぱり………
夕暮れの陽射しが差し込むリビング。
いつものように、夕方に起きてはシャワーを浴び、全裸で身支度を整えていく恭子の表情は浮かないものだった。
今夜も喫茶店へと出勤する。
『あたし……何があっても……恭子姉には幸せになって欲しいな』
笑みを浮かべた杏子が言った『幸せ』という単語が頭を駆け巡る。
不意に視線を向ければ、今では殆ど一人で寝ている寝室の扉が飛び込む。
実際に光景を見なくても、寝室の様子は思い浮かぶ。
枕元に散乱しているオモチャ。
正行に使われて甘い声で啼かされていたのも、いつまでだったか記憶に定かではなかった。
…昨日もシたばかりなのに…
…私……期待しちゃってる………
オモチャのうちのいくつかは、いつも持ち歩いているバッグの中へと移動している。
喫茶店へと行けば就業中はカラダを火照らされ、閉店後にはその火照りを鎮められる。
ダメだと理性が働きかけた所で、淫らな本能が恭子の頭の中からマスターの妻や正行の顔を吹き飛ばし、恭子をマスターのモノを貪る淫らな女へと変えさせる。
マスターと肌を重ねれば、不幸になる人物が存在する。
それでも、出勤日となれば、女として扱われ、快楽が得られる事に胸を高鳴らせていた。
…他人を不幸にしてまで………
…私が幸せを感じるなんて………
葛藤しながらも、出勤時間が刻一刻と迫れば、淫らな本能はカラダを期待に反応させていくのだった。