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とあるオクサマのニチジョウ
第13章 Scene.03
 
 耳に飛び込んできた、剣呑な雰囲気を漂わせている公園に不釣り合いなアニメ声。

 興奮に昂っていた恭子の肩が跳ね上がった。

「ここ……人が居るなんて…珍し」

 恭子の存在に驚いた様子の声。

 人が来るとは思っていなかった恭子も表情を強張らせる。

 更には、離れるどころか近付いてくる気配に、オナニーを始めようと股間に腕を挟んだ儘で体まで強張らせる。

「あ、あの………」

 アニメ声から幼い女の子だと想像した恭子は、顔を俯かせた儘で口を開く。

「この場所……危険だから………」

 ベンチは落書きだらけで、脚元にはコンドームが散乱している。

 幼い女の子が来るような場所では無い筈だった。

「昼間は大丈夫なんだよ。いっつも来てるし」

 女の子の平然とした言葉に、恭子は目を見開く。

 恭子がこの場所に来始めて数回。

 一度も人影を見なかったのは、単に擦れ違っていただけだった。

「で、でも………万が一…ね。それに………」

 オナニーをしたくてウズウズしてるとは言えない。

 とにかく、この女の子を追い返したかった恭子だったが、気配が遠ざかる様子はなかった。

「大丈夫だってぇっ。静かにしてるから、一緒していい?」

 予想外の言葉に、人懐っこい口調で話す女の子を思わず見上げた恭子だった。
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