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とあるオクサマのニチジョウ
第13章 Scene.03
「こっち…真希……気に入ったよぉっ」
「そ、そぉ。それは、良かったわぁ」
ベンチに並んで座る二人。
ニコニコと笑顔を浮かべる真希とは対照的に、恭子の表情は疲れていた。
…子どもは好きだけど………
…真希ちゃんみたいな子どもだったら………
脇目でチラッと真希を見れば、バッグから取り出した飴玉で頬を膨らませている。
…この娘を大人に出来る自信は………
幼さ過ぎる真希の姿に、母性全開になった恭子。
しかし、今の自分を見詰めると表情は曇っていく。
…でも…こんな淫乱な母親ってのも……無いわよねぇ………
純粋無垢な真希の姿を見た後で、自身の体を見下ろす。
男を誘っていると思われてもおかしくない姿。
乳輪まで見えそうな程に谷間を見せ、脚を組み替えれば陰毛が覗く程に短いスカートにノーパン。
…まぁ…もう…会う事は無いだろうしぃ………
…私は…すっかり……汚れ………
「恭子さぁんっ」
愁いを帯びた恭子の表情に、真希は端正な顔立ちを覗き込ませる。
「な、何…かなぁ?」
「また……会えるよねぇっ?」
屈託の無い真希の笑顔。
恭子はズキッと胸の痛みを感じながら口を開く。
「た、多分…ね………」
真希の瞳を直視出来ない恭子。
顔を僅かに背ければ、真希が更に口を開いた。
「じゃあ、また会おうねっ」
「え、えぇ………」
恭子は拒否の言葉を吐く事が出来なかった。
「でさぁ………」
背けた恭子の耳に飛び込んだ、真希の沈んだ声。
突然様子を変えた真希に、恭子は視線を真希へと向けた。
「どうしたのぉ?」
「真希……真希ね………」
「………うん?」
「………帰り道…分かんない………」
モジモジと照れ臭い仕種をする真希に、やはり、母性を蘇らせる恭子だった。
…やっぱり不安だわ……この娘………
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