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とあるオクサマのニチジョウ
第13章 Scene.03
 
…で…何で…なのぉ?………

 表情を強張らせる恭子。

「にへへぇ」

 その前で、屈託の無い笑顔を向ける黒髪ツインテールの少女、真希。


…昨日…あれだけ…会う事は出来ないって思ってたのに………
…私の立場は………


 いつも通りに、夕暮れ時にアパートを出て来た恭子。

 学校の下校時間は疾うに過ぎているだけに油断していた。

 喫茶店の前を避けて遠回りで公園へと向かっていれば、バッタリと真希に出会【デクワ】したのだった。

「昨日ぶりだね、恭子さぁんっ」

 ピョンと飛び跳ねて、撓わな胸をブルンッと揺らす真希。

「は、はは……そうね…真希ちゃん」

 相変わらずの幼さに、頬を引き攣らせる恭子。

 昨日は別れた時間帯にも拘わらず、真希は学校帰りなのが分かる制服姿だった。

「時間…遅いけど……真希ちゃん、大丈夫なの?」

 真希と接すると、どうしても母性が滲み出る恭子。

「あのねぇ。恭子さん捜してたらさぁ………」

 真希の表情が曇る。

「うん?」

「…また、帰り道……分からなくなっちゃった。にへへ」

 はにかむ真希に、恭子は思わず胸を高鳴らせた。


…って…私……ときめいてる場合じゃ………


 真希と会えば、調子が狂わされる恭子だった。
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