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とあるオクサマのニチジョウ
第14章 Scene.04
「………ふぅ………」
施設を出て、思わず溜め息を洩らす恭子。
帰りしなに、真希に駄々を捏ねられて後ろ髪を引かれながらも、暗くなってきた道を歩いていく。
予想外の重たい話題に、恭子の気分は重くなっていた。
真希の過去を聞く事は無かったものの、あの場所に居る時点で幸福な過去を送っていたとは思えない。
…今まで通りに接してくれって言われてもぉ………
代表者である女性に頭を下げられて頼まれたものの、意識せずに接する事が出来るか不安な恭子。
お土産のお菓子を、小さな子どもたちと仲良く食べる真希の姿を思い出す。
年齢的には姉の立場である筈の真希は、年下の子どもたちと争うようにお菓子を頬張っていた。
…周りが小さい子ばかりだから…真希ちゃんの精神年齢も低いんじゃ………
幼いイメージが強すぎる事に思わず苦笑を浮かべた恭子だったが、不意にあの夜の光景を思い出した。
…そういえば………
…あの時…真希ちゃんだけじゃなくて………
恭子を捜しに公園に来た真希の傍に居た男の存在。
真希だけでなく、その男にまで精液を溢れさせるワレメを見せ付けていた。
「…うぁ………」
顔に縦線が入っているかのように、愕然とする恭子。
公衆トイレに散乱した恭子の荷物を持って来てくれたのも、真希の傍に居た大柄な男だった。
イヤらしい痴態を見せ付けた上に、世話まで焼いて貰っていた。
恥ずかしさと気不味さが混ざり合って、恭子の表情は百面相を繰り広げるのだった。