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とあるオクサマのニチジョウ
第1章 こんなオクサマ
恭子はベランダの手摺りに身を乗り出して視線を下ろす。
「あらあらぁ…おはようございますぅ」
視線の先には、立ち止まって見上げているスーツ姿の男。
見知った顔の男に、恭子は緩い口調で挨拶を交わした。
恭子の立つベランダと、見上げている男が居る道路とは僅か数メートルの距離。
閑静な住宅街という事もあり、普通の声量でも会話が成り立つ程の近さ。
「今朝もお綺麗ですね」
「お世辞でも嬉しいですぅ」
擦れ違えば誰もが振り返るような美貌を備えた恭子。
男の言葉に、恭子ははにかみ、手摺りに豊満な胸を押し潰しながらクネクネと身悶える。
「スーツ姿、お似合いですよぉ」
お返しとばかりに、更に身を乗り出して世辞を吐き出した恭子。
「いやいや、いい加減くたびれてま…す………から………」
その言葉に苦笑を浮かべた男だったが、飛び込んできた光景に目を丸くして言葉を詰まらせた。