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とあるオクサマのニチジョウ
第3章 働くオクサマ
「……たぁ? ……マスターってばぁっ」
「えっ!? はっ……えっと………」
恭子の声で、ハッと我に返るマスター。
夢中で凝視する余り、恭子の体勢が戻っていた事にも気付いていなかった。
左側の目元にホクロを飾り、一見して美人に分類される程の整った顔立ち。
プルンとした唇の下、顎に人差し指を当てて小首を傾げる姿。
妖艶な大人の女の雰囲気を醸し出しながらも、時折見せる幼稚な仕草。
突然声を掛けられた事に加え、穴が空く程に見詰めていたと知られれば、マスターが胸をドキッとさせるのも致し方なかった。
「マスターこそ、ボーッとして大丈夫ですかぁ?」
若干顔が赤らんでいるものの、普段の間延びした恭子の口調。
顎に人差し指を当てた腕で、豊満な胸が押し潰されている事に目を奪われそうになる。
…恭子さんのあんな姿…想像するなんて………
…やっぱり溜まり過ぎだな…
度々見せる仕草に、やはり幻覚だったと思い込むマスター。
軽く数回頭を振ると、気を取り直して口を開いた。
「な、何でもないから。後少し、片付け頼みますね」
「わ、分かりましたぁ」
マスターの言葉に、若干言葉を詰まらせた恭子。
それでも、体を翻してフロアへと歩いていった。
…はぁ……
…今夜は…取り敢えず自家発電だな………
股間に血液を集めたマスターは、悶々としながらその後ろ姿を眺めたのだった。