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とあるオクサマのニチジョウ
第3章 働くオクサマ
 
 椅子をテーブルの上へと裏返し、大きなガラス窓を拭き始める。

 明るい店内から見える通りは、既に車も人通りも疎らになっていた。

 仄かに街灯が照らすだけの通り。

 通勤時間帯を過ぎれば、残業や飲み屋に寄った人達以外に人影は無いような場所だった。

 夜も八時を過ぎただけで、閉店するのも至極当然。

 開店していたところで、客は店の前を通過するだけで入ってくる事は無かった。

 そんな外の景色を視界に入れながら、恭子はいつものように腕を伸ばしてガラスを拭く。

 上部まで腕を伸ばそうと右脚を床に着け、高さ五十センチ程度の窓の縁に左膝を乗せる。

「んしょ……」

 マスターの視線とスカートの裾を気にしながら、伸ばした腕を左右に振る。

 ブラウスを盛り上げる豊満な胸がガラスと接し、その感覚をブラウス越しに尖った乳首に感じる。


…んもぉ……
…今日は早く帰って……
…いっぱい……シちゃうんだからぁ………


 依然として、ズキズキと子宮の奥の疼きを覚えている恭子。

 もはや、体の火照りをオナニーで鎮める事しか頭に無かった。

 早く快感を味わいたい恭子の腕は、いつにも増して早い動きを見せた。

「あらあらぁ…」

 しかし、いつにない動きを見せた事で、慣れない早さを見せる手から雑巾が落ちていった。
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