この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
とあるオクサマのニチジョウ
第5章 葛藤するオクサマ
 
 暗い玄関に開かれた玄関扉から差し込む月明かり。

 その中に見慣れた黒い革靴を視界に入れると、恭子は居ても立ってもいられなくなる。

 帰りを待ち望んでいた、夫・正行の革靴。

 体を可愛がって貰おうと、朝から準備も万端にしていた感情が蘇る。

 恭子は後ろ手に扉を閉めると、一目散に部屋の中へと脚を進める。

「正行さん…正行さんっ」

 夫の名前が勝手に口を吐く。

 勝手知ったる自室だけに暗くても壁に当たる事は無く、脚は正行が居るであろう部屋に向かう。

 しかも、さほど広くないアパートの自室。

 僅か十数歩で、引き戸の前へと辿り着く。

「…正行…さぁん……」

 二人が寝室に使う部屋の引き戸に手を伸ばし、扉の向こうに居る筈の夫の名前を呟く。

 引き手に掛けた指先に力を込めて、腕を動かそうとした時だった。

「……っ……」

 不意に脳裏に浮かんだマスターの顔。

 そして、ガラス窓に写った、マスターのモノによがり狂い、淫らな痴態で喘ぐ自らの姿。

 瞬間に伸ばした腕から力が抜けていく。

 正行が帰宅している事に破顔した表情も、徐々に沈みがちになっていく。


…もう…私は……綺麗な体じゃぁ………


 腹の中に、淫欲に陥って貪るように飲んだマスターの精液がある事を思い出す。

 家庭の為に出張や残業を繰り返し、疲れた体に鞭を打って働く夫。

「もう……取り返し…つかない………よねぇ………」
/298ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ