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夏の魔法
第2章 『夢幻』のような…
今はいくらか冷静を取り戻しつつあるが
タビオを思えばすぐに胸の奥が
チクリと痛むような感覚に襲われる
綺麗な綺麗な水の海の中だと
『もしかしたら息出来ちゃう?』と錯覚する
そんな不思議さをタビオは持っていた
(泊まってる場所聞けば良かったなぁ…)
砂は程よく太陽に暖められていて
肌に伝わる熱は人肌に似ている
(明日もあそこにいるかな…)
ゆっくりと太陽が海面に触れていくのを見つめながら
千里は考えまいと思う不思議な彼の事を想ってしまう
「…千里?」