この作品は18歳未満閲覧禁止です
夏の魔法
第4章 『幻想』に近づけば
些か失礼かとは思ったが
目をつぶったままの彼女に違和感を感じて
敦士に問うと静かに頷く
「目を瞑っていては失礼よね…でも、瞑ってた方が気配を感じられるの、許してね?」
見た目より暖かい声でやんわりと答えてくれる所を見ると
悪い人には全く見えない
「えっと…」
「タビオの事について…御願いがあって来ました」
千里の心臓が跳ね上がる
まさかタビオの名前が出るとは思わなかったし
何よりこの女性とタビオとの関係を想像すると
胸騒ぎがした