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夏の魔法
第5章 『過去』の旅生と

風のように現れた彼に手首を捕まれる

「な、何?」

「幸せは…」

「は?」

「幸せは人それぞれだから、それが幸せなら良いけど」

その瞳は私に向けられているのに
私の奥深くを見ている気がした

「もしも…自分が幸せじゃないと感じるなら、僕を呼んで欲しい」

まるでドラマの中の台詞みたいな
非日常的な音
それなのに不思議と作られたものには
思えなかった
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