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くちなし
第2章 香
「お兄様!」
大きな声を出してしまう。

「おやおや。僕でがっかりしたかい?クスッ」

兄は、この大学に通っている。
中性的な顔立ちをしているのは、お母様に似ている。
優しい物腰は、お父様譲りだろうか。
そして、この兄も私のもつ香りを漂わせる。

「そんなこと、ありません!お兄様でよかったわ…。
 ところで、どうされたの?」
「ふーん。そぉ。
 かわいい、妹に悪い虫が付いていないか、確認しにね?
 それじゃーねー。」

手をヒラヒラとさせ、大学へ戻って行く。
兄は、付き合う女性には苦労していることはなさそうだ。
私も男性だったら…。数奇な目で見られることもない。
そんな兄が羨ましかった。

「おい。ブラコン!」
この声は…。

「善っ!」

鋭い眼差しで私を睨みつける彼は、幼なじみの善だ。
幼なじみというより、腐れ縁といったほうがいい。

「また、お兄様か…。お前のブラコンはいつになってもなおらんな…。」
呆れたような言い方。善の言い方はいつも腹が立つ。

「なによ!そんな言い方しなくたって!」

「くくく…!怒ったってことは、図星だ?」
私を丸め込むのが上手い。

「なに?またサボってるの?」
「んー。あながち間違ってない。」
キッパリそう答える。

「ちょっと…ちゃんとしないと…。」

ーグイッ!ー

「んじゃあさ…雅が俺を講義出る気にさせてよ。」
鋭い眼差しに足が動かなくなる。
蛇に睨まれた蛙のように体が動かなくなる。
「……っ!////」
善の爽やかな匂い…。懐かしい。

「なぁに?顔赤いけど??くくっ…!
 本当、男に免疫ないねぇ?」
「そ、それがどうしたっていうのよ!」
「雅になら、たーくさん男寄ってくると思うけど?」
本当に嫌な男だ。
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