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くちなし
第2章 香
「や…!やめて!離して!!」
善の胸を押すがビクともしない。
「俺はさ…雅の香りになんか惑わされてねーよ?
 しかし…他の男たちは…どーだろうなぁ?くく…」
耳元で囁かれて、身体がビクっとする。

「善…お願い…!善のこと嫌いになりたくない…!!」
「っ!!!あのなー…雅さぁ…俺のこと信用してるわけ?」
「だって…幼なじみ…だから…。」
「俺が、雅のことを隙あらば襲おうって思ってるかもしれないのに…?くくくっ!
 なぁ…よーく聞け。男なんてのは、邪なことしか考えてねぇよ…。俺もその1人かもな?くく…!」

善は、時々私をこうやって脅してくる。

「わ…私を怖がらせたいの?!」
「あぁ。そうだ。お前の為に、な?」
「っ!…善…あなた…っ!!」

ーちゅっ…ー

「んんっ!…っ……!!」
善の舌が私の中に入ってくる。
身体がフワフワして…足に力が入らない…。
身体が熱い…!!

「んんっ……っは!
 雅…。俺の目を見ろ。」
「……////善…。」
「俺は、お前を守る。だから、俺を見ろ。」
何を言ってるの?
私を守る?こんな、キスなんかして?
怒りがこみ上げてくる。
「…っ!ふざけないで!!」

ーどん!ー

「あーぁ…。怒らせちまった…。お前を守る方法は…一つしかねーんだよ。」
ボソッと独り言を呟く。
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