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くちなし
第2章 香
兄に身体を支えられ、黒田が待つところまで歩く。
さっき、昴が言っていた『兄弟ごっこ』という言葉が少し引っかかる。
「雅。紀村の次男が言っていたこと…気にするんじゃないよ?お前は、しっかり自分を持つことが大切だよ。
僕みたいになっちゃいけないよ。」
意味ありげなことを言ってくる兄。
「ん?私は、お兄様を尊敬しているわ。」
「お前は可愛いね。本当に大切な人だよ。」
私の髪を優しく撫でる。
風にのって、兄の香りがする。
安心する。私もこんな香りがするのだ。
この高鳴る胸は、なんだろうか。
「若様、お嬢様お迎えにあがりました。」
黒田が立っている。
「あっ!黒ちゃん!待たせちゃったかな?」
「…若様…。その呼び方は…。」
困惑している黒田。
「いいじゃないか。若様って呼んだから、仕返し!
ほら、雅帰ろう。」
「ええ。」
車内では、兄と話が弾む。
「お兄様って、彼女は作らないの??」
「何を聞くんだい。そんな彼女なんて、必要ないさ。」
「どうして?スッゴくモテるんでしょ?お兄様は!」
「そんなことを聞いてどうするんだい?しかし、誰がそんなこと言っているのかな?」
「親友のひかりよ!お兄様のことカッコイいって言ってたわ!」
「ふーん。そうかい。」
兄は、あまり興味なさそうに視線をそらす。
「雅だって、僕の妹だ。すごく可愛いよ。
この透き通る様な白い肌も、曇りなき瞳も、真面目な性格も…全て愛おしいよ。」
熱のこもったような視線。
「お兄様に…そんなこと言われたら…。照れるわ…。」
私は、どう反応していいなわからずにいた。
「…コホン!」
黒田が咳払いをする。
「若様、お嬢様、お屋敷へ到着致しました。」
「あぁ。そうだったか。話し込んでいて、気づかなかったよ。それじゃ、雅夕食の時にね。」
そういうと、屋敷の中へ消えて行ってしまった。
「お嬢様。さぁ、中へ入りませんと…。」
さっき、昴が言っていた『兄弟ごっこ』という言葉が少し引っかかる。
「雅。紀村の次男が言っていたこと…気にするんじゃないよ?お前は、しっかり自分を持つことが大切だよ。
僕みたいになっちゃいけないよ。」
意味ありげなことを言ってくる兄。
「ん?私は、お兄様を尊敬しているわ。」
「お前は可愛いね。本当に大切な人だよ。」
私の髪を優しく撫でる。
風にのって、兄の香りがする。
安心する。私もこんな香りがするのだ。
この高鳴る胸は、なんだろうか。
「若様、お嬢様お迎えにあがりました。」
黒田が立っている。
「あっ!黒ちゃん!待たせちゃったかな?」
「…若様…。その呼び方は…。」
困惑している黒田。
「いいじゃないか。若様って呼んだから、仕返し!
ほら、雅帰ろう。」
「ええ。」
車内では、兄と話が弾む。
「お兄様って、彼女は作らないの??」
「何を聞くんだい。そんな彼女なんて、必要ないさ。」
「どうして?スッゴくモテるんでしょ?お兄様は!」
「そんなことを聞いてどうするんだい?しかし、誰がそんなこと言っているのかな?」
「親友のひかりよ!お兄様のことカッコイいって言ってたわ!」
「ふーん。そうかい。」
兄は、あまり興味なさそうに視線をそらす。
「雅だって、僕の妹だ。すごく可愛いよ。
この透き通る様な白い肌も、曇りなき瞳も、真面目な性格も…全て愛おしいよ。」
熱のこもったような視線。
「お兄様に…そんなこと言われたら…。照れるわ…。」
私は、どう反応していいなわからずにいた。
「…コホン!」
黒田が咳払いをする。
「若様、お嬢様、お屋敷へ到着致しました。」
「あぁ。そうだったか。話し込んでいて、気づかなかったよ。それじゃ、雅夕食の時にね。」
そういうと、屋敷の中へ消えて行ってしまった。
「お嬢様。さぁ、中へ入りませんと…。」