この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
くちなし
第2章 香
昴が言っていたこと。
兄が言ったこと。

なにか、引っかかってしまう。

私は、これからどうなってしまうんだろう。
自分でもなんとなく、ことの事態はわかっているんだろうが、気づきたくないと思っている。

「はぁ…。」
私もくちなしの花に囲まれて、考え事をしてしまった。

その日の夕食は、喉を通らず残してしまった。
自室へ戻るとすぐにベッドに横たわってしまう。

ーコンコンー
「お嬢様。よろしいでしょうか。」

「ええ。」

ーガチャー
「今夜のお食事は、お口に合いませんでしたか?
 なにか、お持ちいたしましょうか?」

「黒田…。」

ードンっ!ー
「どうされましたか?」
黒田の胸に顔をうずめる。
「………。」
黒田が私の頭を撫でてくれる。
「私怖いの。」
「怖い…ですか?」
「そう。怖い。私が間違って生まれたんではないかと…思うと怖くて息ができないくらい、苦しい。」
「原因はなんでしょうか?」
「…私自身かな…。」
「………。私は、お嬢様に仕えております。故に、お嬢様にはいていただかないと、私も生きている意味がなくなってしまいます。」
「私を興味本位で寄ってくる人はいるけれど、私の中身はなにもしらない…。この香りに惑わされているだけだわ。
 大正時代に娼婦として生まれていたら、さぞかし人気があったでしょうね。」
「お嬢様…。何を仰いますか。止めてください。
 きっと、お嬢様の中身に目を向けてくださる方もいらっしゃいますよ。」
私を宥めるように話す黒田。
「黒田は、私のこと好き?」
まっすぐ黒田を見つめる。
少し頬が赤らんだらように見えた。
「ええ。お嬢様を慕っております。お仕えしておりますので。」
/101ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ