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くちなし
第4章 迷
「昴くん…?大丈夫…?私は、お水買ってくるから!」
ベンチから立ち上がり、その場を離れようとする。
ーグイッ!ー
「雅ちゃん…側にいてって言ったでしょ…?
行かないで…。……はぁ…。はぁ…。」
潤んだ瞳で私を見つめ腕を掴んでいる。
赤らんだ頬、息が上がっているようだった。
額に手をあてると驚くほど熱い。
「凄い熱!こんなところじゃダメだよ!
自宅へ帰ろうよ!」
「………嫌だ。実家へは帰らない…。」
「…え?それじゃ、病院!行こう!歩ける?」
「うーん…横になりたい…。歩ける…。」
ゆっくりと身体を起こし歩き始める昴。
確実にフラフラとした足取りだ。
「昴くんっ!ねぇ!無理だよね?」
ードサッー
「昴くん!昴くん?!ちょ…誰か!すみません!」
私は、頭が真っ白になった。
無我夢中で昴を病院に運び、診察してもらった。
高熱にうなされ、眉をひそめる昴を見つめながら寄り添う。
「昴くん…。起きて…。」
「…スー。スー。…んん。」
家に帰らないと言ったけど、何か理由があるんだろう。
ーコンコン!ー
「あ…。はい!」
ーガチャー
部屋に入って来たのは白衣を着た、一人の男性だった。自信に溢れたその目は昴に似ている気がした。
「おや?君は…??」
「私は、昴くんと同じ大学の友人です!あの…一緒に居たのに…助けられなくて…。すみません…。」
気が付くと謝っていた。
「いやいや。君は、悪くない。この息子は…自分の体調管理まで出来ないとは…。困った奴だ。少し入院させるから、すぐに良くなるから、心配はいらんよ。」
ベンチから立ち上がり、その場を離れようとする。
ーグイッ!ー
「雅ちゃん…側にいてって言ったでしょ…?
行かないで…。……はぁ…。はぁ…。」
潤んだ瞳で私を見つめ腕を掴んでいる。
赤らんだ頬、息が上がっているようだった。
額に手をあてると驚くほど熱い。
「凄い熱!こんなところじゃダメだよ!
自宅へ帰ろうよ!」
「………嫌だ。実家へは帰らない…。」
「…え?それじゃ、病院!行こう!歩ける?」
「うーん…横になりたい…。歩ける…。」
ゆっくりと身体を起こし歩き始める昴。
確実にフラフラとした足取りだ。
「昴くんっ!ねぇ!無理だよね?」
ードサッー
「昴くん!昴くん?!ちょ…誰か!すみません!」
私は、頭が真っ白になった。
無我夢中で昴を病院に運び、診察してもらった。
高熱にうなされ、眉をひそめる昴を見つめながら寄り添う。
「昴くん…。起きて…。」
「…スー。スー。…んん。」
家に帰らないと言ったけど、何か理由があるんだろう。
ーコンコン!ー
「あ…。はい!」
ーガチャー
部屋に入って来たのは白衣を着た、一人の男性だった。自信に溢れたその目は昴に似ている気がした。
「おや?君は…??」
「私は、昴くんと同じ大学の友人です!あの…一緒に居たのに…助けられなくて…。すみません…。」
気が付くと謝っていた。
「いやいや。君は、悪くない。この息子は…自分の体調管理まで出来ないとは…。困った奴だ。少し入院させるから、すぐに良くなるから、心配はいらんよ。」