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くちなし
第4章 迷
「んん!悠…出ちゃ…声…我慢できない…っ!」

ーくちゅくちゅー

「ああっ…んっあ!ふぁ…っ!」
「こらこら…雅…。声が大きいよ…?
 ダメだよ…。聞こえてしまうよ?」

蕾を刺激され、声を殺すことができない。

「…きっと…僕は、嫉妬してるんだよ?
 他の男の香りにね…。ダメだってわかってる。
 雅の運命を僕は、操れない。
 ……けれど、愛してる…っ!」

ーぐちゅぐちゅ!ー

「ひゃ!んんーっ!ふっ…ん!あぁん!」

悠の指から伝わる憤りと不安な気持ちと、それ以上に私を愛する気持ち。

「雅…綺麗だ…。その顔も声も身体も…今は僕だけのものだよ…ね?」
擦り切れてしまいそうな声。きっと心もだろう。
締め付けられる私の気持ち。

「あぁ…悠…悠を感じたい…っ…ん!お願い…きて…。」

少しでも繋がっていたい。心も身体も。

「…っ……雅…。」

悠と一つになれる。
気持ちが静まっていく。重ねるたび二人は堕ちていくのに。

「あっ!悠を…感じれる…っん!」

男と女の欲望にまみれた、ただの人だ。

「雅…愛してる…今だけ…っん。」

ーぐちゅ!ぐちゅ!ー

下から突き上げられると、何も考えられなくなる。
私たちは、互いに麻薬のような作用をもっている。
重ねれば重ねる程、抜け出せなくなる。

「あん!悠!…っ…もっと!」
「…っ…雅…くっ…!」

苦い愛しいものが心の中に広がる。
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