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くちなし
第5章 交
ひかると晃は、楽しそうに二人で話している。

「なんかぁー。二人いい感じじゃない??」
「あ。私も今思ってたの。」
「やーっぱりぃ?それじゃあー…。」

ーグイッ!ー

いきなり私の腕を掴み、走り始めた。

「ちょ!昴くん!?」
「少し抜け出そ!二人で!」

楽しそうに振り返って笑う昴。
そんな笑顔にワクワクしてしまう。
旅先の夜の街は、一層昴を魅力的に見せたのかもしれない。


「はぁ…はぁ…。昴くん…少し休も…。も…無理…!」
「雅ちゃん!体力なさすぎ!…少し休もうか。」
川辺の芝生に腰を下ろす。

「はぁ…はぁ。まだ息が…上がってる…!昴くんすごいね!酔いもさめちゃったね!」
「んー。そうかなぁー?酔いはさめた方がいいよぉ!
 んんー。しっかし、風が気持ちいいねぇ。」

暗くて顔はよく見えないが、きっと昴は穏やかな顔をしているんだと思った。

「ねぇ。雅ちゃん…?さっきは、ありがと。」
「え…?」
「話上手くそらしてくれたでしょー?
 けど、雅ちゃんの話も聞けたし…。好きな人いたんだね。」
「うん。昴くんが困ってる顔に見えて。ほおっておけなくて…。私にも好きな人はいたんだよ。もう、会えないけど!」

ーグイッー

昴の腕の中にすっぽりと収まる。

「そんな、平気なふりしないでよ…見てる僕が辛いよ。
 ……雅ちゃん…優しいから…。ダメだよ?僕に優しくなんてしたら…。」

ーぎゅうー

川の流れる音と昴の鼓動が聞こえる。
風にのって昴の甘い甘いムスクが香る。

「…甘いね。昴くんは…。」
「ん?甘い?」
「うん…。困ってたら助けたくなるもん…。あと昴くんのムスクの香り…。」
「………。」

私たちは、少しの間見つめあってしまった。

「その顔…反則だよ…!可愛すぎ…僕けっこう自制してるんですけどぉー?」
「あ…ごめんなさ…ん?けどなんで私が謝ってるの…?」
「え…それはぁ…この先も…良いってことぉ?」
「え!いや……あの。」
「正直に言うと…雅ちゃんの心の隙間に入り込もうとして、どこまでなら許してもらえるかなぁー?って考えてるんだよ?けど、嫌われたくなくて抑えてるの…。」
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