この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
くちなし
第6章 偶
昴の甘い香りに包まれながら、私は抵抗が出来ずにいた。
「雅ちゃん…。明日もバイト頑張ろーね!」
身体を離すと、昴は無表情で私を見つめ、少し微笑んだ。
「頑張ろ…!」
「うん。おやすみっ!」
ーちゅっー
おでこにキスをし、部屋を出て行く。
すぐに朝を迎える。
こんなに、次の日が待ち遠しいのは久しぶりだった。
アルバイト先へ着き、仕事を始める。
館内の掃除から始まる一日。
もう、一目でも黒田似の人には会えないのだろうか。
「雅さん…!」
女将が手招きをする。
「昨日の花巻さんだけど、彼女居ないみたいよ!クスクス
朝食は、お部屋で食べるみたいだから、運ぶの手伝ってくれる?ふふふ!」
「…え!もちろんお願いします!」
「あぁ!いいわ!若いって!それじゃあ、行きましょう。」
上機嫌の女将に連れられ、料理を運び部屋の前に着いた。
いきなりの展開に、心臓がうるさい。
「朝食おもち致しました。…失礼します。」
女将の後に続き、料理をはこぶ。
館内着に身を包む、花巻さんがいた。
眼鏡をかけ、パソコンと向きあっている。
「おはようございます。置いておいて頂けますか?」
「ええ。かしこまりました。」
「…あと、その若い方はアルバイトですか?」
いきなり、話をふられドキっとする。
「はい!アルバイトの身で失礼ました!」
「クスクス。大丈夫ですよ。昨日の宴会場でも、とても頑張ってらした。元気いっぱいですね。」
「花巻様、私はこれで失致します。よろしければ、昨日の働きぶりを、助言していただけますか?まだまだですので。
では…。」
女将はそう言い残して、部屋を去っていった。
「…………。」
沈黙を破ったのは私だった。
「お茶をお入れいたします。」
急須を持つ手が震える。
「……危なっかしいですね。お嬢様は…。」
黒田…?
「あの…花巻様…?」
「クスクス。聞こえませんでしたか?お嬢様。
私が淹れて差し上げまょうか?
っと…今は立場が逆になってしまいましたね?」
「…っ!!!」
驚き過ぎて声が出ない。
本当に黒田ならば、聞きたいことがたくさんあるのに。
「雅ちゃん…。明日もバイト頑張ろーね!」
身体を離すと、昴は無表情で私を見つめ、少し微笑んだ。
「頑張ろ…!」
「うん。おやすみっ!」
ーちゅっー
おでこにキスをし、部屋を出て行く。
すぐに朝を迎える。
こんなに、次の日が待ち遠しいのは久しぶりだった。
アルバイト先へ着き、仕事を始める。
館内の掃除から始まる一日。
もう、一目でも黒田似の人には会えないのだろうか。
「雅さん…!」
女将が手招きをする。
「昨日の花巻さんだけど、彼女居ないみたいよ!クスクス
朝食は、お部屋で食べるみたいだから、運ぶの手伝ってくれる?ふふふ!」
「…え!もちろんお願いします!」
「あぁ!いいわ!若いって!それじゃあ、行きましょう。」
上機嫌の女将に連れられ、料理を運び部屋の前に着いた。
いきなりの展開に、心臓がうるさい。
「朝食おもち致しました。…失礼します。」
女将の後に続き、料理をはこぶ。
館内着に身を包む、花巻さんがいた。
眼鏡をかけ、パソコンと向きあっている。
「おはようございます。置いておいて頂けますか?」
「ええ。かしこまりました。」
「…あと、その若い方はアルバイトですか?」
いきなり、話をふられドキっとする。
「はい!アルバイトの身で失礼ました!」
「クスクス。大丈夫ですよ。昨日の宴会場でも、とても頑張ってらした。元気いっぱいですね。」
「花巻様、私はこれで失致します。よろしければ、昨日の働きぶりを、助言していただけますか?まだまだですので。
では…。」
女将はそう言い残して、部屋を去っていった。
「…………。」
沈黙を破ったのは私だった。
「お茶をお入れいたします。」
急須を持つ手が震える。
「……危なっかしいですね。お嬢様は…。」
黒田…?
「あの…花巻様…?」
「クスクス。聞こえませんでしたか?お嬢様。
私が淹れて差し上げまょうか?
っと…今は立場が逆になってしまいましたね?」
「…っ!!!」
驚き過ぎて声が出ない。
本当に黒田ならば、聞きたいことがたくさんあるのに。