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目が覚めたら。
第5章 変態王子が暴走しました。
「ごめんね、僕がしーちゃん守ってあげられなくて」
ナツはしくしく泣きながら、あたしを抱きしめた。
甘いムスクの匂いがする。ナツは香水をつけるのか。
「ごめんね、しーちゃんが大変な時に、僕……何回もイッてしまって……。沖縄の超厚切りこんにゃく、すべて買い占めて人肌より少し熱い程度になるようにレンジでチンした上に、ナイフで細かい切り込み入れたもので、しーちゃんのナカを妄想して盛大にイキまくってしまって……ごめん。凄い異臭になるほど、存分に使い切っちゃって本当にごめんなさい」
沖縄になにをしに行っていたのだろう、この子。
リアルに語りすぎるよ、この子。
……というか、ナツ。
縛られていたのに、なんで両手であたしを抱きしめられる?
「ナツ……どうやってあの縄解いたの?」
まるで縄抜け名人の泥棒さん。
「ああ、波瑠兄の緊縛は、僕が縄抜けできる上でなされたものだから」
この兄弟、どこまで互いに情報通なのか。
日頃、警察&泥棒ごっこをしているのだろうか。
「僕、鍛えられたからね、もっともっと凄いの、日本屈指の女王様に。あの時は、天井から落っこちるかと思って恐かった。だけど、大事なトコきゅーって締め付けるあの痛みがクセになりそうで……あ、そうだよ、まさしくそれだよ波瑠兄。これを女に応用すると、ここの部分をこうやって通して、こっちから縛って……」
……女王様ってなんぞや?
ナツ、大事なトコきゅーって締め付けて、吊り下げられてなにをして遊んでいるんだ?
貧弱な想像力しかないあたしは、想像不可能。
「そうしたらね、アノ部分にこの結び目が食い込んで、それと直結した……この本の図で言えば、ここのラインが連動して……」
「なるほど。高い金出してあの館に通った甲斐があったな、ナツ」
「えへへへ。僕頑張ったもの」
「ナツ、変なリアルな知識をハル兄に教えなくていいからっ!! 高い金を出して如何わしい館なんぞ、通うなっ!!」
願わくば――。
あたしが実験台にされませんことを。