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目が覚めたら。
第6章 変態王子が暴走しました。2
大学キャンパス内、売店――。
さて、どんなショーツにしよう。
スケスケ、フリフリ、キチキチ。
しかしなんで、こんなところにぱっくり穴が空いているものや、どこを隠しているのかわからない丸見えなものが、大学の売店に売っているんだろう。女性用のふんどしまである。
さらにはイチゴ柄やら、キャラクターがプリントされたものやら、"ここにぶっ挿して"とか"ここをぐりぐりすると加速します"とか、矢印つきの筆字で書かれたものまである。
……完全ギャグでしょう、これ。需要あるのだろうか。
売り子さんは人の良さそうなおじさん。
彼のセンスで仕入れているのだろうか。
……今時の大学の売店は、ここまでショーツの豊富さを求められているのだろうか。今時の大学生、侮りがたし。
ナツはこの売店の二階に用があるらしい。
一緒にショーツを選びたいと駄々捏ねるのを蹴り飛ばし、別行動して正解だったかもしれない。
あたしが買ったのは、可も無く不可も無い、一番無難なもの。
3枚で1,000円とまぁまぁの値段。殆ど値段で選んだようなものだが、一般庶民の"仮パンツ"に出す金は、そんなものでいいだろう。
絶対ナツがぶつぶつ言いそうだけれど。
お金はナツが貸してくれた。カード以外のお金も持っていたらしい。
札の模様が違っているのに驚いた。これ……昔遊んだ"おもちゃ銀行"に印刷されていた人じゃなかろうか。
9,000円のおつりを貰おうとしたら、貰った釣り銭はやけに小銭が多い。
聞けば消費税というものがかかっているらしく、あたしのスカートのポッケはじゃらじゃらだ。
空白の12年、ちょっとしたカルチャーチョックの出来事だ。