この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
目が覚めたら。
第6章 変態王子が暴走しました。2


 心に複雑な思いを抱えながら、あたしを心配してくるナツに曖昧に笑い、おすすめのレストランに向かう。


 甘味以外はあたしの味覚は正常だ。

 おいしいパスタをナツと食べて、いい気分にひたりながらやりすごそう。



 ……そう思っていたのに。


 女の子が悦びそうな小綺麗な白亜の洋館。

 ここまではいい。


 だが中に居たのが最悪だった。



「なんであんたがここにいるの、このクソメガネ」




 オーダーを取りに来たのは、あたしの天敵。

 速攻、気分がそがれた。


「随分とお口が悪いようですね、行き遅れのお客様。呼んでもいないのに勝手に来店早々、不躾にひと様に指を突き付け悪態つく暇に、さっさと注文したらどうですか? お年寄りは、優柔不断で困りますね」


 あたしの吐いた毒は、何百倍にもなって即座に返り討ち。

 慣れたように返ってくるあたり、こうした攻撃には百戦錬磨なのだろう。

 ボキャブラリーが貧困な上、空白の12年の歴史を持つあたしは、大都大学現役合格者に、現実に即したそれ以上の表現を呈示することが出来ない。


 く~っ!!


 余裕綽々のクソメガネ。嘘くさい儀礼的な笑みを浮かべて、例のように眉間にある眼鏡のフレーム部分を指でクイクイ。

 そこには、どうだ参ったかと言わんばかりの勝ち誇った目がある。


 売られた喧嘩だと思ったのだろうか。

 客の喧嘩を、店員が買ってどうする。


 無駄に顔だけいいクソメガネ。

 黒いエプロンを腰に巻き、上は詰襟の白いブラウス姿のギャルソン風。

 すらりとしているから、こうした恰好もサマになっている。


 ここは穏便に処理しようと、とりあえずカルボナーラをぶっきらぼうに頼んで椅子に座ったものの、周りから視線が痛い。


 あたしが注目を浴びている理由は、勿論爽やか王子様を連れて現れたことと、表面だけはいい顔をしているクソメガネに悪態ついたからだろう。

 クソメガネの反撃はきっと聞いていないに違いない。
/920ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ