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目が覚めたら。
第6章 変態王子が暴走しました。2
「……シズ。しかも馳走は前日からもか。お前はどこぞのグルメだ」
いつものように卑猥な話題にするハル兄の表情からは、テーブルの下でこんな悪戯をしているようには見えないだろう。
パチン、パチン。
恥毛を隠すクロッチ部分に指が這わせられ、ショーツの生地を指で弾かれる。
ここから先に入りたいと駄々をこねられているように。
開放しろと急かされているかのように、境界の部分を行き来され、時折ショーツ越し秘部に滑っては、ぎりぎりのラインに戻る
緩急つけた巧みな指の動きで、焦らされて行く――。
やだ……。ハル兄……そんな動きされたらあたし……。疼いて熱くなってきちゃう。
「あ、しーちゃん。もういかなきゃ。今日図書館4時から蔵書整理入るから、早めに行かないと。ちょっと先にレポートの調べ物もしたいし」
そんな時、ナツが時計を見て立ち上がる。
「へぇ、図書館?」
「ふふふ、そうだよ波瑠兄。僕……しーちゃんとイケナイことしてるんだ。今度は図書館で90分。4回しーちゃんをイカせる予定」
屈託もなくナツが笑うと、遠慮していたハル兄の指が問答無用の力強さをみせて、ショーツの横から入ってきた。あたしが欲しくて震えていた中心へと。
くちゃり。
響いてはいけない卑猥な音。
羞恥と背徳感で、酸欠状態。
目の前がくらくらする。
ハル兄の指が動く。
ゆっくり前後に……絶妙なタッチで。
息が……あがる。
「へぇ、そりゃあ大変だな、シズ」
あぁだめ、声が……。
「……ぁ……」
ハル兄の指に、俯き加減で耐えていたあたしは、思わず声を漏らしてしまった。
「しーちゃん?」
「大丈夫か、シズ。ああ、お前スイーツをがっつきすぎだ。ほら、水でも飲め」
ハル兄は傍目では心配げな声をかけ、タバコを消した右手で水を手渡しながら耳もとで囁く。
「すっげぇ濡れ濡れ。俺の指だからか? それともナツのことを思ってか?」
アンタのせいだと横目で睨み付けると、ハル兄の目は意地悪いものではなく……なにかを訴えるように、切なく揺れて憂えていた。
およそハル兄には似つかわしくない、頼りなげな表情で、余裕がないような苛立ちも僅か。
赤筋残る捕食者の目からは、焦れているような異様な熱を感じた。