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目が覚めたら。
第6章 変態王子が暴走しました。2
 

 ゲホンゲホンゲホンっ。


 その時聞こえたのは、わざとらしい咳払い。


 慌てて振り返れば、斜め後ろのいかにも生真面目そうな女学生がこちらを睨みながら、レポートを書いている。

 あたしだったら仇名を委員長とつけたい、昔ながらの優等生チックな出で立ち。12年後も、三つ編みとメガネの大学生もいたんだね。


 だけどナツはそんな観客では物怖じしない。


「ここでしーちゃん可愛がる」


 突き刺さる視線の中、変態宣言をして……スカートの上から股間の部分に顔を埋める。ナツの鼻が秘部の上部を掠め、あたしは思わず仰け反った。

 気をよくしたらしいナツは鼻がソコにあたるように、あたしのスカートの上でぐりぐりと鼻を埋め込んでくる。

 視界にふわふわとミルクティーの髪が舞い、あたしの意志に反する体が、ナツに同調するように跳ねる。


「……甘い匂いがたまらない」


 ナツの手がスカートの下に伸び、僅か開いていた内股に滑り込んだ。

 閉じようとする足を、その手が遮る。



「だめ、ナツ。見られちゃうから……」

「見られてもいい。しーちゃん、可愛いオマメにちゅぅさせて?」


 強引にめくられるスカート。

 荒い息が、太腿の肌にかかる。


「だめったら! ナツ!」

「木綿のパンツ……僕を煽ってるの?」


 ああ、そうだ。

 この子はフリフリとか清純派の下着が好きだった。

 あからさまな卑猥なものではない分、ナツの火に油を注いでしまったらしい。


「滲み、出来てるよ。しーちゃん」


 熱い股間。指で摘ままれたショーツの布地。

 隙間から流れ込むのはじんわりと熱い風。



「だめったら……ぁ、だめっ!」


 近づくのは、ナツの乱れた熱い息。



 ゲホンゲホンゲホンっ。


 委員長も負けていない。卑猥な光景が視界に入る場所を変えず、まるでここが彼女の領域(テリトリー)とばかりに自己主張。

 異端者であるあたし達に場所を譲るのは、彼女のプライドが許さないらしい。


「ちっ。アイツ……うるさい。シメようかな」


 物騒なことを口走りながら、ナイフより鋭く尖った眼差しに殺気を滲ませて、委員長を威嚇するナツ。


 ゲホンゲホンゲホンっ。


 負けじと応戦する委員長。


 なによ、これ。なんのバトルしてるんだよ!!
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