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目が覚めたら。
第6章 変態王子が暴走しました。2
 

 キレたら恐いブラックリスト№2、佐伯奈都。


 そのナツ様から聞こえた"ぶちっ"。


 在籍大学で卑猥なことをしたのを窘(たしな)められて、真面目な女学生に乱暴……なんてことがあったら、ナツの将来滅茶苦茶だ。

 これは絶対、あたし達が悪い。

 公共の場でこんなことしている、あたし達の方が!!


 がばりと立ち上がったナツ。

 その顔には笑みはなく、クールを通り越して、周囲を巻き添えに氷結させてしまうほどに、冷淡な表情で凍っている。


 かなりキテるよ、これは。

 ナツの放つ凍気にガチガチ震えながら、ナツの腕を掴んで引き留めれば、ナツは笑った。凍えきった笑みで。



「そこで待ってろ、すぐシメ終わらせる」


 温度も声音も低すぎる。



 ひぃぃぃぃぃぃっ!!


 口調が違ってる!!

 シメ終わらすってどんな意味ですか!?


 にたりと笑う残忍な顔は、帝王様そっくりで。


 アナタキャラ違うでしょう!!

 夢を売るにこにこ王子様でしょう!!


 やばい、血の海になる……そう本能的に思ったあたしは必死だった。


「ナツ、いいから行こう。違うところに」

「終わったら、存分に可愛がってやる。そうがっつくな」


 ひぃぃぃぃぃぃっ!!


 言葉が通じないし、通じるような雰囲気でもないし!!

 それでもこんなナツにちょっとどきどきしてるあたしってなに!?


 あたしを引き摺り、怯える委員長に近づくナツ。

 まるで殺人鬼、ホラーだ。


 だからあたしは――。
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