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目が覚めたら。
第6章 変態王子が暴走しました。2
 

「あっち行って、気持ち悪い。タカシくんの方が数倍格好いいし、エッチもいいものっ!! あっ、タカシくんと待ち合わせの時間すぎちゃったじゃないっ、本当もうアンタ最低! この貧弱な短小!」


 そして癇癪を起こしたようにして、荷物をまとめた委員長は、タカシくんとやらに会いに走り去っていったのだった。



「……」

「……」


 呆然と取り残されるあたし達。




「しくしく……」


 やがてナツのすすり泣きが響く。



「僕のって気持ち悪い? ……貧弱? 短小?」


 自分より"数倍格好いい"らしいタカシくんの容貌より、ナツが気にしているのはオトコの象徴。かなりのダメージを受けている。


 ナツVS委員長。

 最後は見事に委員長の口撃で逆転勝ち。


 だけどこのままでは、ナツが自信をなくして若くしてED王子様になってしまう。それはあまりにも可哀想すぎる。


「ううん、ナツのは大きくて太くて十分に立派なものだよ。姿形もその味も惚れ惚れしちゃうほど最高級。だから自信持って!」


 ……ああ、あたし、なにを言ってるんだろう。

 とりあえず、ED危機回避のために、ナツの自信回復のスイッチを押さねば。


「……くすん。じゃあ僕、エッチ下手? 修行効果なかった?」

「ううん、ナツはとっても上手。あたし何回もイカされたもの」

「僕が下手だからしーちゃん下のお口嫌がってるんじゃない?」

「ないない。あたしはナツのだーい好き。大きくて元気よくて、ナカに挿ってきたら、あたしすぐイッちゃってやみつきになりそう」

「……。じゃあ、すぐにでも挿れたいと思う?」

「思う思う、すぐにでも……」


 ……スイッチを押すのに必死だったあたしは、一緒に地雷を踏んだことにようやく気づいた。


「……お部屋行こ?」


 自信回復したナツが再起動――。


「続き、しよ?」


 可愛さを見せつけていたナツが、妖艶なオトコに急成長していた。



「挿れたいんでしょう、僕の。大好きなんでしょう、僕の」


 あたしの膝裏を掬うように抱き上げて、ナツは歩き出す。


「ナ、ナツ……!?」


 向けられるのは艶めいたココア色の瞳。

 それは捕食者の残忍な光を宿していた。


「予定通り、"プラスα"でしーちゃんイこうね?」


 ああ、逃れきれない――?

 
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