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目が覚めたら。
第6章 変態王子が暴走しました。2
……ナツを喜ばせようとして、実際喜んでいるのはあたしの方だ。
この疑似セックスに、あたしの秘部も目も快感を得て、普通のように振る舞うのが大変だ。目の前がチカチカし始めている。
そんなあたしに、乱れたナツは謝り続ける。
「ごめんね、ごめん……あ……っ、くっ……ごめん、しーちゃんごめん。僕が気持ちよくなっちゃってごめん。嫌わないで、ねぇ……所詮体目当てだとか思わないでぇ」
ナツの錯乱したような上擦った声が涙に混ざる。
ナツはあたしの心を縛るために、自分の快感を放棄して、ただひたすらあたしを愛そうとしていたのだろう。
献身という名の犠牲を、心の縛りと取り違えたのだろうか。
ひとりで快感を得ていると思っているらしいナツは、懺悔しながらあたしを引き留めようとしているらしい。あたしの気分を害して嫌われるのではないかと心配しているらしい。
……可愛くてお馬鹿なナツ。
一緒に……安心して気持ちよくなりたかっただけなのに。
「しーちゃん、しーちゃん……嫌わないで、お願いだから僕から離れていかないで。あぁっ、はぁっ……んんっ、んっ……」
激しくなる腰の律動は止まることはなく。
快感から逃れようとしているらしいナツの心と、さらなる快楽を求める体がばらばらに動いている様は、あたしの加虐心に火をつけもっと意地悪してみたくなる気分はなるけれど、その前にあたしの理性も限界で。
「嫌わないよナツ、ナツ……それいい、だけど激しいよ、熱くて燃えちゃうよ……っ」
ナツが無我夢中で擦り上げる熱に、あたしも声を上げてしまう。
ミイラ取りがミイラになった気分。
一気に昂奮と快感がせり上がってくる。
「ん、んんっ……しーちゃんは蜜がたっぷりだから、燃えないよ。むしろ……燃えてよ、僕ので……熱くなって火を吹いて燃えちゃえっ」
物騒なことを言いながらも、あたしが受け入れたことにナツの顔が安堵に緩み、塞き止めていたらしい恍惚感が顔に拡がった。
それは、欲を煽る妖艶さと化す――。
激しい摩擦の刺激に思わず開いてしまいそうになる足を、ナツは両腕の中にあたしのふたつの膝を抱えながら、より閉じた窮屈な場所で大きく擦り上げてくる。