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目が覚めたら。
第2章 とんでもないことになってました。
「厳密に言えば、膣 > 口 > 血液の順での吸収率になる。膣での吸収が100%だとしたら口は70%、血液は30%に下がる」
あぁ、やはり聞けない。
なんで"口"と言ったら、ふたりで牛乳を見たのか。
"血液"と言ったら、点滴パックを見たのか。
聞いたら最後、きっとあたし、イケない世界を知ることになりそう。
まだまだ心は処女の17歳。そんな大人の裏の世界は知らなくてもいい。
そう思うのに――。
「で、ここまで質問は?」
「しーちゃん、特に口と血液の質問は?」
なんでこの兄弟、質問して欲しそうににやにや……いや、うずうずしてるんだろう。
これは罠(トラップ)か。その手に乗る静流さんではない。
「ありませーん!」
すると、見るからに残念そうな顔をする、残念兄弟。
「……こんなあからさまなネタに乗らないのなら、まるで誘導している俺達がアホタレじゃねぇか」
「しーちゃんが冷たい。12年間のネタに触れてくれない。しくしく……」
やはり"ネタ"か。12年、なにを期待していたんだよ。
「話を進めてよ、ハル兄」
女は潔く、横道にそれずに前を進むべし。
ハル兄は実に面白くなさそうに髪をわしゃわしゃと掻きながら、なぜかあたしを詰るような眼差しを向けて続けた。
「つまり、だ。お前の中ダシは男にとっちゃリスクが大きすぎる。代替案としてはフェラ。1度期にお前が口で直接10人分の濃度の精液を飲み込めば、3日ごとの"食事"ですむ。ま、暫定措置ではあるが」
今、つらりとなにを言った。