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目が覚めたら。
第7章 鬼畜帝王が暴走しました。
誰にもハル兄を渡したくない。
あたしだけを見ていて欲しい。
ハル兄が欲しくて欲しくてたまらない――。
お酒を飲んでハル兄を全力で求めたあの時の衝動が、お酒の代わりにハル兄の熱によって引き出されていた。
「……お願い。あたしを好きになって。
あたしだけを見て。
――……波瑠っ!」
名前を呼び捨てにした途端、不安定に乱れた長いため息がハル兄から漏れ、耐えきれないというように切れ長の目が細まった。
眉間に皺を寄せて苦悶する、あたしが好きなあの顔になり、ハル兄は震える声で言った。
「……上出来だ、静流」
そしてあたしの後頭部に両手を回して、情欲に滾るその目を一心にあたしに注いできた。
「褒美を……やるぞ。俺を本気にさせる可愛いオンナに。
……お前が待ち望んでいたものだ」
そしてハル兄は、顔を斜めに傾けると――、
「んん……っ」
あたしの唇に、肉厚の唇を重ねてきたのだ。
あんなにせがんでもくれなかった、唇同士のキスを――。