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目が覚めたら。
第7章 鬼畜帝王が暴走しました。
「我武者羅に欲しい気持ちになりれやがれ。長年の想いが通じたと、狂喜乱舞しろよ。……演技とみなすならそこまで徹底しろ」


「ハ、ハル兄……?」


 あたしがハル兄の名を呼んだ時、ハル兄が爆ぜた。


「波瑠だろっ!? ちくしょぅ……なにが"後学"だ!? なんで俺ばっか焦って、いつもの軽口叩き続ける余裕ねぇんだよ、なんでお前は平気で他のオンナ引き合いに出して、他のオトコの影ちらつかせて、俺とのことを"演技"止まりで納得出来るんだよ。なんで俺のように、"約束"も自戒もすべて反故にしてしまいたくなるほど、煽られまくって本気で欲しいと思わねぇんだよ、なんで"演技"だという俺の言葉の方を信じるんだよ!?」



 まるで、壊れてしまったかのように矢継ぎ早に吐き捨てる。


「俺はそこまで"圏外"か、眼中外か!?」


 早口すぎて、なにを言っているのかよくわからなかった。


 それが気にいらないというように、ハル兄は吼える。



「わかるだろう、もうわかれよっ、ここまで言ってんだろ!? なにが建前でなにが本気か、いい加減に気づいて飛び込んでこいっ! 静流……っ」



 癇癪を起こしたような、悲痛な声で。



 そして――。



「クソっ!!! 俺を……暴走させるなっ!!」



「んんんんっ!?」



 予告なしに、唇が奪われたんだ。


 もう……遊びは終わりとでもいうように。

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