この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
目が覚めたら。
第7章 鬼畜帝王が暴走しました。
上から覆い被さり、あたしの両手を頭上で縫い止め……逃げ道を塞いだハル兄。
「はっ……ふ、んんっ……」
なされたキスは、一度ですぐ終わるものではなかった。
最初は啄む様に軽く頻繁に。
やがて熱く乱れた息を吐くと、貪るかのようの荒々しさで、性急に何度も角度を変えてその唇が押しつけられた。
上唇、下唇……共に歯や肉厚な唇で食まれ、唾液たっぷりに舐められ、強く吸われる。
飲み込まれていく。
蝕まれていく――。
苦しくて薄く目をあけたら、そこには目を伏せて苦悶しているようなハル兄の顔があり、長い睫毛がぴくぴく動いていた。
ああ、こんなに近くにハル兄がいる。
あたしの好きなあの顔で、こんな艶めいてあたしにキスをしている。
きゅんとした。
錯覚してしまうじゃないか。
……あたしは、オンナとしてハル兄から愛されているって。
体以上のものを、凄く求められているって。
ひと度そう思ってしまったら。
それが本当では無いと、心のどこかでわかってはいるのに。
それだけであたしの体は――
「波……瑠……っ」
歓喜に震え上がった。
「波瑠……ぅ」
キスの合間に自然と出るのは、ハル兄を求める甘ったるい声。
ハル兄がぶるりと震え、あたしを持ち上げるようにして背に手を回すと、ぎゅっとあたしを抱きしめ……あたし達は何度もキスを交わし合いながら、強く体を絡ませ合う。
あたし達の距離は……ゼロになった――。