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目が覚めたら。
第7章 鬼畜帝王が暴走しました。
 


 妖艶なオーラを纏いながら、あたしの体の上でハル兄は言う。


「静流、俺は今まで女を抱く際に、常に守っていた3か条がある」


 誘惑するような艶めいた声音で。
 


「1.相手の服は剥ぎ取っても俺の裸は見せねぇ。

 2.前戯なんて面倒くせぇことはしねぇ。

 3.相手が俺の心を望んだら、ブチこんでいても即END」



 ――超最低。

 あたしのときめきを返せよ、ハル兄。


 しかもそれを裸で今言うか。

 無駄にフェロモン出すなよ、馬鹿。


 あたしの昂ぶったテンションが下がった時、ハル兄は言った。



「だがお前には俺の裸を見せてる。お前には前戯をしてる。むしろ……もっとして、啼いて喜ぶお前をとことん乱してぇよ。そして静流――」


 ハル兄の目に、切なげに懇願するような光が宿る。



「俺は……お前の体だけじゃねぇ、心も欲しい」



 どくん。


 体の中で熱いものがまた息吹く。



「医療行為であるのなら、なんとか自分を騙せたが、今は違うだろ。

俺のすべてをさらけ出してでも、俺の信条覆してでも……お前と深く愛し合う口実が欲しい。……今まで誰にでも拒否していた、愛っつーもんが無性に欲しい。自慢の俺のモノが役立たずなら、お前を満たせられねぇ俺は無価値だろうから余計に」

「別に無価値じゃ……」

「体以外で、お前は俺に求めるものがあるか?」


 あたしが瞳を揺らして戸惑ったのを見たのか、ハル兄が続けて言った。


「お前から愛されている実感。安心感こそが俺のED克服にもなるらしい」


 ずるいね、ここでハル兄……EDを出すの?



「肉体で繋げられねぇのなら、繋げられる部分は繋ぎたい。抱くオンナを悦ばせて満足させてぇのは、これはオトコの意地と本能だ」


 ハル兄を治したいあたしに、拒否などできないじゃない。
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