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目が覚めたら。
第7章 鬼畜帝王が暴走しました。
「――もしかして。
ねぇ、もしかしてハル兄は昔から――」
ごくり。
ハル兄が唾を飲み込み、緊張した空気を漂わせた。
ハル兄のどくどくとした早い鼓動が、あたしの肌に直接伝えてくる。
いくらあたしが鈍い頭を持つアホタレだろうと、さすがに悟ってしまう。
ハル兄は……自覚してるんだ。
ああ、ハル兄はやはりそうなのか。
そうだったことに、あたしは今まで気づかなかったんだ。
ずっと、ずっと――。
12年前もきっとあったその兆候を、あたしは見逃していたんだ。
ああ――。
思い返せば色々と思い当たるフシがあるじゃないか。
なんで高校生のハル兄が、小学生のあたしにやたら構ったのか。
なんで総長襲名式にも、電話一本でかけつけてくれたのか。
その他色々、ハル兄からのシグナルは確かにあった。
うざったくなるほど執拗に、確かにハル兄はあたしに固執していた。
仲の良いお隣さんだから、と説明できないほどに。
あたしは言葉で確認したい。
ただの妄執ではないことを。
そして現実を受け止めねばならないのだ。
どんな衝撃的な事実でも――。
今まで、あたしはその真実をしらなかったのだから。
隠し事のない、これからの……あたしとハル兄の関係を築くために。
「ハル兄は――」
ハル兄がいつのまにかあたしを真顔で見つめていた。
切なげに揺れたその目に、熱情の光を宿しながら。
そしてあたしは。
ハル兄からのその切実な瞳をそらさず、まっすぐに見つめ返して……静かに言葉を紡いだんだ。
「……ロリコンだったんだね?」
隠蔽されてきた真実を。
……それはきっと、間違いない。