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目が覚めたら。
第7章 鬼畜帝王が暴走しました。
 

 帝王様が気分を害しているのは間違いないだろう。

 ぷいと顔を背けて、見事な広背筋を猫背にしている。


「せっかく……いいムードだったのに。ぶちこわしやがって」


 ハル兄は、意外にムード重要視派だったらしい。


「ヤリ捨ての彼氏……」


 "じゃなかったんだね"と続けようとしたら、少しばかり目を潤ませたハル兄がこちらをぐりんと向いた。


「ヤリ捨て!? 枯れ死!? お前そこまで36歳のEDを追いつめるか!? まだ半勃ち程度かよって嘲笑いたいのか!?」

「……言ってないし」

「イッてねぇだと!? あれだけ派手にプシャープシャーさせてびくびくさせてたのは演技か!? EDを哀れんだ演技なのか!?」

「いや、それはその……イク違いだから。波瑠こそEDに神経質になりすぎてるから、"イッて"」

 "の意味を取り違えてるんだよ"と続けようとしたところ、


「逝って!? EDは無意味だから死ねってことか!?」


 ……どうしよう、この被害妄想のオトコ。

 寝ていないらしいから、きっと頭の中に幻聴がしているんだろう。


 なんでこんなになってしまったのだろう。

 そう考えれば、どうしても行き着くのはあたしが口にした"ロリコン"。


 もしや禁忌の単語だった?


 否定しながらも、動揺しているからこんな状態になったような気がする。


 ……自覚あるんじゃないか、帝王?


 本当にどうしようもない奴だとは思えども、


「……なににやついてんだよ、あ゛?」



 可愛いと思ってしまうあたしは。



「ハル兄、大好き」


 好きだと思ってしまうあたしは。


 ……おかしいのかな。


 12年前以上に愛おしく思うこの心が、愛かどうかわからない。

 演技だと思い込む心のなせる幻影かも知れないけれど。


 それでも――。



「大好き」


 12年前のあたしは、こうして裸のハル兄に抱きつくこともなかった。

 抱きつきたいとも思わなかった。
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