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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2
目を瞠る前で、ハル兄は苛立ったように髪を掻き毟り始めた。
「あいつら……最後まで色目使いやがって。ひとが睨めば悲鳴を上げる小童のくせに、36歳を社会のクズ扱いか!?」
新情報。
帝王は色目を使われたくはないらしい。
「あたしまた、ハル兄は慣れっこで平気かと思ってた」
というか、色目とクズ扱いは同列にはないと思うけど……。
「慣れる!? お前そこまで普段色目使われてたのか!? 俺の知らないところで、お前なに男遊びしてるんだよ!!」
「は、は? なんであたしが色目を使われるの。使われていたのはハル兄の方でしょ!? あのご婦人方の熱い視線を……」
「女なんて知らねぇよ。男の話だ、オ・ト・コ!! つーか、お前もっ!! そのミニはやめろ!! 目の毒だ!!」
え、お怒りポイントどこですか!?
そこなんですか!?
「やっぱり……12年前にはいていたものは、アラサーには無理あるか。そうだよね……目に毒か……」
しゅんとすれば、ハル兄が一喝。
「そういう意味じゃねぇよ。その艶めかしい生足をわざとらしく、飢えた野獣どもに見せつけるなってことだ!!」
「う、飢えた野獣……?」
「俺様を指さすな!! 俺はいいんだ、俺は」
また帝王様ルールなのだろうか。
「ちなみに俺様は、その格好は嫌いじゃねぇ。むしろ、ドストライクだ。だがそういう思わず触りたくなるエロい格好は、家の……いや、俺の前だけにしろ」
「エ、エロ……」
「そうだろうが」
ハル兄はため息をひとつ零すと、あたしのスカートを捲って、下着越しお尻を強く揉んでくる。
「こんなところで、犯されたいのか、お前。ED回復してねぇ俺に、強姦願望か。まぁ、そそる状況ではあるから、ぶっつけ本番でも」
「いりませんっ!!」
もうこのスカートはやめよう。
そう思ったけれど、今のあたしはこれ以外に服はなく。
「ああ、少し調子戻って来たな」
なぜか愉快そうに喜ぶ帝王様に急かされ、行き着いたエレベーターを降りてみれば、
「!!!」
拡がっていたのは、セレブな世界。