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目が覚めたら。
第3章 変態王子様は×××でした。
どくっどくっと注ぎ込まれる、熱いものが喉を潤す。
あぁ……なにこれ、甘いっ。
ありえない。絶対ありえない。
あたしの体は、スイーツで感じられなかった甘味を感じている。
しかも濃厚で絶妙。
細胞の隅々まで満たされるような充実感。
やはりあたしの体は変なのだ。
精液を飲んで活力が漲(みなぎ)るなんて――。
もっと飲みたいと思うなんて。
これを"食事"だというのなら、今まで生きる為にしていた食事の味気なさはなんなのだろう。
ああ、今後もこんなに満たされるのなら、これもいいかもしれないと思うのは、この高揚しすぎた心身のなせるひとときのものなのだろうか。
ナツだからおいしいのだろうか。
他の男は違うのだろうか――。
「おいし……」
搾り取るようにしてごくごくと飲んだあたしは実にご満悦で、ご馳走をたらふく食べたような満たされた満腹感に幸せだった。
がつがつとした自分の衝動が、おだやかなものとなり……またスイッチの彼方に消えていったような気がする。
ハル兄は3回の射精をノルマづけていたけれど、今はこれでいい。
多分、あたしが寝ていた分の"貯蓄分"があるからなのかもしれないけれど、今はこの1回の精液で心身が潤っている。
「ナツ、おいしかったよ。ありがとう……。それに可愛かった。また……ちょうだい?」
ナツは、ベッドの隅でいじけたように体を丸めてすすり泣いている。拗ねているようだ。
「僕が……ごちそうさましたかったのに、僕の方が可愛く食べられちゃうなんて。またおねだりされるなんて……。最初なのに。夢にまで見たしーちゃんとの最初なのに、僕の方が……」
彼はどうしても最初に"食された"のがお気に召さなかったらしい。
夢の王子様も、男のプライドがあったのだろう。
あたしは笑いながら四つん這いでナツに近づき、イイ子イイ子とその頭を撫でてあげた。
「……しーちゃんの意地悪。下のお口に……挿れたかったのに。挿れさせてって、あんなにお願いしたのに。しーちゃんをイカせて下のお口で栄養をあげれるように、あんなに厳しい修行積んできたのに」
ナツは恨みがましい目を向けてきた。