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目が覚めたら。
第3章 変態王子様は×××でした。
どんな環境下での"厳しい"ものだったのか、荒行のような内容を聞いてみたい気もするが、彼の指や舌使いを見れば、技巧は鍛錬されたのだろう。
その練習台となった女達には悪いが、ナツがひたすらあたしのために腕を磨いてくれたと思うと、妙な感動を覚え……ナカに挿れさせずに彼の本意を無視したことに、些か罪悪感も芽生える。
だがあたしとて、妙な状況に陥っているのならば、私情を抑えてまで守らねばならぬものがある。それはナツの命だ。
せめて彼の"逞しさ"を実感できてからではないと、危なくて欲に流されることもできやしない。
「ナツ。せめて10分は耐えられるようにしようね。今のままだったら、ウルトラマン、怪獣と会う前にさよならだよ?」
すると再びナツはあたしに背中を向けた。
しくしく。
先ほどより強いすすり泣きが聞こえてくる。
「しーちゃんが悪いんだ。本当に、僕は早漏じゃないのに」
幾ら言われても、まるで説得力がない。
「事前に2回抜いても100数える前に、3回目暴発。持久力鍛えるまで、ナカは当分お預けね」
「……しーちゃんが、しーちゃんがあんなことしなければ普通にっ!」
「じゃ、もうしない」
「……ごめんなさい、精進します」
しくしくとすすり泣き。
どんなに強がってみても、一番現実を知るのは本人だ。
「よし! じゃあしーちゃん、もう一回しよ? 次は僕、300いけそうな気が」
「"よし"の間でなにが変わる! 今日はお試し。ごちそうさまでした!」
合掌して頭を下げれば、またナツがしくしくしてる。
「がんばろうね、ナツ。早くナカにおいで?」
「うん……がんばる。僕、努力の子だもの」
励ましながらあやせば、素直にあたしに抱きついてくる、可愛い可愛いナツ。180cm超えるデカい幼子だ。
あたしなんかのどこがいいのだろう。
だけどあたしは、この子が"特別"でよかったと思う。
ナツは、あたしに癒やしをくれる。
「僕頑張って、毎日10回以上しーちゃんに飲ませてあげるから。僕の濃厚な精液、とぷとぷと」
「……回数や量や濃度より、時間をなんとかしろ」
……爽やかな顔して、言うことは変態だけど。
男の艶気を撒き散らす、大迷惑王子だけれど。
変態王子様は、超早漏でした――。