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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2

「静流……」
やがて、その目が切なげに細められ、あたしに訴えかけた。
「お前のナカに入りてぇ……」
その眼差しに、その切実な声に。
「無理矢理にでも、お前犯してでも……お前を抱きてぇ」
――身も心も震えた。
勃起できない苦しみを一番感じているのはハル兄だ。
あたしは、快感に流されて"欲しい"なんて言っては駄目だ。
ハル兄を追いつめたら駄目だ。
そうは思えども。
欲しい。
ハル兄と繋がりたい。
それは淫魔の欲ではなく、あたしがそう思う。
ハル兄のイク顔が見たい。
ハル兄の幸せそうな顔が見たい。
「お前と一緒に……イキてぇ……」
あたしを上り詰めらせることで、代償としての幸せを感じるものではなく。こんな貧相な体でも、それでもハル兄が悦ぶ要素があるのなら。そこまで求められる要素があるのなら。
あたしは、佐伯波瑠の肉体を悦ばせてみたい。
奉仕されるのではなく、一緒に気持ちよくなりたい。
体から生まれる、その感情をわかちあいたい。
今すぐに。
だからあたしは――。
「波瑠の……お口でしていい?」
「え……?」
「駄目なら駄目でいいの。無性に……波瑠のを愛したい」
顔を離したハル兄の唇が、驚きに半開きになった。
「あたしが波瑠を愛すのは、駄目?」
細められた切れ長の目。
長い睫毛が、葛藤なのかひくひく動いていた。
昨日もやったけれど駄目だった。
だけど今のは、勃たせるのが目的じゃない。
愛したいんだ。
この心の衝動を、表現したいから――。

