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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2
さっきは暗くてあまり見えなかったが、帝王の褐色の肌に、酒気を帯びた薄い紅が混ざれば、やけに生彩に満ちた艶やかさを誇る。
ハル兄独特の威圧的な貫禄が、オトコの艶めいたものに変わっていけば、魅惑されたメスどもは、帝王に身を捧げたくなる――そこまでの吸引力。
さっきまでは子供のように拗ねていたというのに、少し自信を回復すれば、ここまでの艶めいたオーラを纏うのか。
今、この場の支配権は彼にある。
ねぇ、なんであたしを舐めるように見ているの?
今さらあたしをそんなに見つめなくてもいいじゃない。
こんな近くで、こんなに人気がある場所で。
そんなに真剣に捕食しようとしなくても。
あたしは、帝王様に全力を発揮させるまでの相手じゃないよ?
ねぇ、あたしはそこまで美味しい女じゃないよ。
明らかに故意的な誘惑めいた色に染まった、漆黒の瞳。
酒のせいで瞳は潤み、熱を帯びている。
ハル兄に熱視線を向けられている――。
ただそれだけで体がざわざわして落ち着かない。
きちんと服を着ているというのに、あたしの体の隅々はもうハル兄に見られているというのに、それ以上隠していたなにかを丸裸にされたような気がして、恥ずかしくなる。
体が加熱する。
肌がざわざわとする。
ハル兄の濡れた唇が半開きとなり、赤い舌先がちろりと覗いた。
依然その目はあたしだけを捕らえたまま、さっきまであたしの舌と卑猥に絡み、あたしの秘部を淫らに舐めていたその舌が、己の肉厚の唇を淫猥にゆっくりと舐め上げた。
肉食淫獣の舌舐めずり――。
「――っ」
やばい。
強烈に、子宮に来た。
秘部に拡がる熱い疼きに、声が上がってしまう。
太腿に……はしたない蜜が垂れてきた気がする。
羞恥と困惑で、思わず俯き加減で足をもじもじと擦り合わせてしまったあたしに気づき、帝王様はふっと艶然と笑った。